5000万画素のデジタル一眼レフ EOS 5Ds を買ったよ!レビューするよ!

 

 
 
約3年間使い倒してきた EOS-1D X(約1800万画素)をドナドナして、約5060万画素のデジタル一眼レフ、EOS 5Dsを買いました!

なんでよって話になるかと思いますが、理由は、
 
「5000万画素の高解像性能は5000万画素でないと出せない」
 
ことに尽きます。
 
ピクセルクオリティとして、等倍状態での滑らかさやSNを見ると明らかに1DXが上です。
ただ、A3ノビを越えA2以上のサイズに拡大した場合、またweb用に縮小した画像、
これらを見比べたときの解像性能 ( 解像"感"のようなふわふわした印象論ではなく、
はっきりとした"性能"です)が、もう圧倒的に違う。ぜんぜん違う。
 
1DXに比べるとノイズに弱いのは撮影や現像で頑張ればいいんです。
1DXに比べるとダイナミックレンジが狭いのは注意して露出を決めればいいんです。
1DXに比べるとAFや連写がちょっと遅いのは眼と集中力を鍛えて対応すればいいんです。
でも、この高解像度は1800万画素の1DXではどうやっても出せない。そう考えて乗り換えました。
 
ただ1DXは本当に気に入っていたので、できれば買い増しが良かったけれども、そのお金は出せず、
泣く泣くのドナドナとなりました…さようなら1DX…( ´༎ຶ﹃༎ຶ)
 
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EOS 5Ds + EF35mm F2 IS USM (4点とも)
 
 
…使いはじめの感想としては、「便利に使えるdpシリーズ」。
だいたいの使用感はdpと似た感じですが、ちょっとだけ違う点があって、書き出してみました。
 

  1. 感度:だいたいISO1600〜ISO3200までは使える
  2. 電池:LP-E6Nひとつで800〜1000枚くらいは撮れる
  3. 液晶:液晶の色とコントラストはとても綺麗
  4. 操作:ボタンカスタマイズとサーボAFで動きモノをがっつり追える
  5. 官能:単写であればモタつきを気にすることはありません
  6. 運搬:カバン内のスペースは意外と変わらない。重さはほら、比べたらdpに失礼やないですか。
  7. 画質:レンズに依存しますね。dpのレンズ素敵よねぇ…(溜息)
  8. デザイン:dpシリーズの圧勝!完全勝利!

 
…気軽に使えるちょっと重いdpシリーズと考えると、これはこれでアリかなと思います。
 
 

EOS 5Ds + EF50mm F1.4 USM
  

EOS 5Ds + EF35mm F2 IS USM 
 
 
【5Dsのここが◎:5000万画素の解像性能は伊達じゃない】
 
ちょっとはてなフォトライフは圧縮ひどすぎて何がなにやらわかんないですが、
そうです、解像性能ですよ。圧倒的です。圧倒的です。圧倒的。
 
誰ですか、2000〜2400万画素がベストバランスとか言った人は!
センサに関しては「SNが一緒なら解像性能は高いほうが正義」だと僕は考えていて、
素数がたかだか1DXの3倍、水平/垂直解像度にするとたった1.67倍の向上ではありますが、
ガリを見ると、はっきりと「あ、画質上がったな」って思います。
 
ノイズは、うーん、等倍でみると感覚的にはEOS 5D Mark II と同じくらい。
ISO3200まではふつうに使えて、それ以上は気にするかな、という感じ。
とはいえ、結果的に出力サイズで見ると粒が小さいので、意外に大丈夫に思えたりします。
 
うーん、解像性能的には満点なんですけど、
どんだけISOを引き上げても完全滑らかノイズレス!とはいかないので、
撮影が制限される箇所がでてくると予想されます。ライブ撮影とかはさすがに厳しそう。
 
 


 
 
【5Dsのここが◯:古いレンズもふっつうに使えるよ!】

「5000万画素に対応するには最新のレンズでなければ!」みたいに
雑誌とかwebレビューで書かれてますよね。
 
あれ、ぼくは嘘だと思ってます。
嘘と言っちゃ言い過ぎですね、必ずしも、正しくないです。
 
ためしに、作例を載っけてみました。上は全体、下は拡大。
載せたのは時代遅れのEF50mm F1.4 USM。1993年発売、20年以上前のレンズです。
これはF2.8まで絞って撮影した奈良公園のシカ。シカかわいい。 

上の描写で、これが"使えるかどうか"はみた人の判断になると思うんですが、
個人的には、これは5000万画素でも十分「使える」と言っていいんじゃないかと思います。
(ていうかはてなの画像アップロードは圧縮ヒドイ…レビューできないじゃないか…)
 
 
…結局、あれは、要はレンズとセンサの性能のボトルネックがどちらにあるんですか、
というだけの話であって、これまでセンサ側にあったボトルネックが、こんど古いレンズの
場合はレンズに行っちゃうんだよ、っていうことだとぼくは思うんですよ。
 
 

EOS 5Ds + EF50mm F1.4 USM。絞りF1.4。
 
 
ちょっと古いレンズなら従来の2400万画素前後の解像度以上に全く周波数レスポンスが
ないというわけではないので、古いレンズも、センサ側の解像度向上にともなった分だけ
精細な描写をするようになります。
 
具体的には線の細い描写ができるようになってくる。
良いレンズはもっとよく、そうでないレンズは、それなりに。
普通のレンズと思ってたのに「このレンズ、こんな緻密な写りをするのか!」って
驚く場面もけっこう出てきます。
 
確かにあれです、昨今の1ピクセルの収差もゆるさないよ!みたいなレンズでない場合、
開放付近で撮影すると、ふわっとした色収差がにじむのは確認できます。
が、よくみるとその奥に、実は少し薄く細い線としてきちんと芯が結像しているのだ、ということが、
5000万画素だと、分かる。見える。しっかりわかる。
 
ああ、レンズの力はセンサで制限されていたのか、ということが初めて分かる不思議な経験。
 
 

EOS 5Ds + EF70-200m F4L IS USM。ISOは1600くらい
 
逆に、高解像性能を有する最新のレンズの場合、とにかくもうがっちりとした濃い味、
アブラマシマシで脳髄ダイレクトに訴えかける高周波成分の愉悦を味わうことができます。
瓦の一つ一つ、羽毛の一本、鋲に刻印されたメーカー名まできっちりと映し出されているのを確認して、
えも言われぬ背徳的な高揚感に浸るのも思いのままです。
 
「愉悦にはシグマArtとかOtusとか買わんといかんのか」と思いきや、
実はEF70-200mm F4L IS程度でも普通に5000万画素程度なら解像しきっちゃうので、
変に出費に怯える必要はありません。沼ってもべつにいいですが。シグマの50Artとか気になってる。
 
 

EOS 5Ds + EF50mm F1.4 USM
 
 
【5Dsのここが◯:意外にぶれない】
 
手持ちでも意外にぶれません。大丈夫。でもこれは僕のカメラホールド技術の高さかもしれないので、
あんまり触れないようにします。少なくとも三脚必須とかじゃないです。気軽に持ち歩いて撮れます。
 
 

EOS 5Ds + EF35mm FS IS USM
 
 
【5Dsのここが△:撮影後の共有に難あり】
 
カメラ自体の性能はやっぱり信頼と実績の5D系です、業務ユーザーも数多く使っている、
よく練られた操作系とユーザーを待たせないレスポンスは、やっぱり使ってて違和感がない。
 
ただし個人の趣味で使っていると「撮影できてデータが記録できて納品できます」だけでは、
もう足りない時代なのだな、と思います。
 
いまや撮影後にweb共有しにくいことは立派に製品としての欠点になる
 
というのは個人的な持論ですが、このカメラ、無線機能がありません。
いまどき。もう2015年なのに!21世紀なのに!まぁ5D3と一緒っちゃ一緒ですが。
そのため、CFとSDのデュアルスロットのSD側にEye-Fi mobi pro カードを入れて
画像を無線でスマホに転送できるフローを作りました。
 
…作りましたが!が!これが大変だったのよ!このフローを作るのが!もうほんと大変だったんですよ!
なんというかアングラ感満載で!みんなどうやってんの!?みんなアングラに耐えてんの?
なによりもEye-Fi mobi アプリが駄目!ダメダメ(※カメラの不満じゃなくなってますが)!
  
「勝手にスマホ内全ての画像を掌握しようとした挙句、残容量を使い切ってフリーズして死亡する」
 
とか謎の挙動をするのよ!削除だよ削除!即削除!
 
結局、1DX時代に重宝した Shuttersnitch アプリにEye-Fiの設定を覚え込ませて(やり方は公式だけどアングラっぽい)、
ようやっと、デュアルスロットとプロテクトボタンと怪しいソフトを駆使してのデータ転送。
設定にはほぼ半日作業。もうクタクタ。
 
これ多分ふつうに写真撮って転送したいだけの人は使えないと思います。無理っす、これ。
もうカメラは最初からネットに転送することを前提に作り上げていって良いのではないかと思いました(小並感)。
 
 

EOS 5Ds + EF50mm F1.4 USM
 
 
【5Dsのここが×:連写撮影後のプレビュー遅延】
  
…いきなりマニアックになりますが、ここがもう唯一の致命傷と言って良いこのカメラの弱点です。
(人によっては高感度とか、1D系でないこととかが致命傷と思う人もいるかもですが)
1DXとのリプレースを本気で最後まで悩んだ点がここにあります。
 
ふつう、カメラは撮影したあとにプレビュー表示が出るように設定されているはずなんですが、
このカメラは撮影→カード書き込み→プレビュー、となります。他のカメラもたぶんそう?
 
で、このカメラ、データ量が多いからか、高速連写したあとにプレビューでピント確認したいのに
書き込みがひと段落するまでプレビューが出てこないんですよね。これが困った。すごく困った。
 
例えば、人物撮影とかで、ピントと目線と姿勢を、と思って連写で撮ったあとだと、ピント確認が
すぐにできない。撮りなおしか次行っていいのか、その確認に一拍、二拍、待たされるんですよ。 
 
単写だとあまり気にならないのでこれがネックになる人は限られているかもですが、
結構これは場合によっては不便に感じる人が出るかもしれません。
 
僕は5000万画素の魅力に惹かれて、あと二台持つ財力がないので買い替えにしましたが、
例えばお仕事をされている方とか、これ一台で全てを賄うには、5D3の万能っぷりとかから見ると
少しバランスを崩している部分があるので、よく考えたほうが良いです。買うなら、買い増し。
 
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ここでおすすめですよーって書いたところで、
吟味せずに買うカメラではないのですが(笑)、
個人的にはけっこうおすすめです。解像性能が欲しい方は、ぜひ。