SIGMA dp1 Quattro で写真を撮ったよ!


※フル解像度写真はこちら(大サイズ注意)

ひょんなことから、SIGMA dp1 Quattro をお借りしたので写真を撮ってきました。
レビューできるほど撮ってないので、細かいことは書けませんが、
簡単に個人的な感想を書きます。




( この写真はEOS-1DX で撮影。他は dp1 Quattro )

【デザイン】◎:これだけでご飯三杯いける。満点。
 ⇒デザインが良いので前縁のエッジが指に当たって痛いとか言ってはいけない
 ⇒UIは普通に使いやすいです。迷わない。
 ⇒他社もこれくらい「カッコいいでしょ」っていうカメラ出さないかな。




【画質】○:解像度番長。好きな人には堪らない。
 ⇒ダイナミックレンジも狭いし暗部ノイズも多いですが、解像度はピカイチです。
 ⇒ただしここまでの解像性能が活きる場所が実はない。大サイズプリントするしかない。
 ⇒Webでの共有も元データを等倍で眺めて愉悦に浸るしかないのですよね
 ⇒Quattroの苦手被写体を感じる場面は探さないと見つからないので実用上は問題ないです。
 ⇒例えるならば低感度高解像度というフィールドでだけは神になるドラッグレーサーです。従来一眼はラリーカー。



【使い勝手】△:まぁさすがにちょびっともっさりですよね
 ⇒僕のような単写派には、書き込み時間の長さについて特に不満はありません。
 ⇒AFは可もなく不可もなく。
 ⇒バッファは少なくなった?増えたけど足りないのかな?何枚も単写を重ねるとしんどいかも。


【気になったこと】
このカメラは、カメラが活きる条件が非常に限られます。
FOVEONっぽさを感じられる被写体って、高周波なテクスチャがいっぱいあって云々、という感じなんですよね。
この記事に載せている写真も、DPっぽさが感じられるような写真を狙って撮ってます。


「DP2xの癖?をよく見て、DP2xが一番綺麗な描写をする条件を探してセッティングしてやって、
注意して撮影すれば、それはもう他のコンデジとは比べ物にならない、
某社や某社の高額な一眼レフと比較して云々というレベルの大ホームランをたたき出します。」

という文言を私はDP2xをレビューしたときに書いたんですが、
今回のdp1Qもまた、同じ特徴を有しています。そしておそらくはdp2Q、dp3Qも。

しかしDP2xの時代と違って、Merrill、Quattroはその性能を磨き上げた結果、
万能性という視点でバランスポイントを探りにいった一眼レフを遥かに抜き去って孤高の"高画質"、
はっきり言うならば「高解像度」を誇る頂点に立つようになりました。この抜群の性能は非常に魅力的です。

で、ここからは個人的な危惧なので、要はお前の気持ちの問題でしょと言ってもらって良いのですが、
高解像度性能って、言うならば食べ物における塩分と脂分みたいなもんやと思うんですよね。
ほらマクドナルドのポテトの味って、ごちゃごちゃした理屈じゃなくて脳髄ダイレクトにどかんと来るでしょ、
そういう感じなんやと思うんすよ。

だからこそ、私がこのカメラを手にして数時間撮影して感じた懸念は、
「自分がdpという高性能に隷属した高解像写真撮影マシーンに堕してしまわないか」
というもの。

自分が撮るべきものが後方に退いてしまい、ひたすらにdpシリーズを手にして高周波なテクスチャを探して写真に収めて、
SPP(付属の現像ソフト)で現像して、等倍までカリッカリの画像を眺めてうっとりと悶絶して一生を終えるのではないか、
そういうおそれを抱いてしまいました。

塩分美味しい脂分美味しいを続けていった結果に何か繊細なものを失ってしまうのではないか。
そんな危惧を抱くほどに、それほどに恐ろしい性能をもつカメラだと、言っても良いかと思います。


この愉悦に浸るもよし、使いこなして人類の未踏峰に挑むもよし、心中する覚悟がある方には、ぜひともおすすめです。